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普遍的な正解が見出しにくいが重要な問題(2014年11月10日)

【 2014年11月 中日新聞の投書欄に投稿して不採用。  】


アメリカオレゴン州で、脳腫瘍によって余命半年と宣告された女性が、自らの意思で尊厳死を決意し、医師から処方された薬を服用して亡くなった。

 

自分の身近な人が彼女と同じ立場に置かれて尊厳死の決断をした時に、自分はどのような反応を示すだろうかと考えさせられる。

 

仮に、その決断に対して明確な共感を示さないとしても、はっきりと異を唱えることもできないのではないかと思った。

 

徐々に確実に短期間のうちに、病による苦痛や死への恐怖が明白化すると予見されるとき、「最後の最後まで緩和療法などを駆使しながら苦痛に堪えて寿命を迎えよう」とは中々いえない。

 

「余命以上に生きるかもしれないし、緩和療法によって想像以上に快適に最期を迎えられるかもしれない」という淡い期待を匂わせることも中々いいにくい。

 

今回のような報道で尊厳死安楽死がクローズアップされるたびに想う。今日的で、なおかつ難儀で、普遍的な正解が見出しにくいが重要な問題だと。