「 ~ 神を映像に収めることに成功した。」 ~ 古川日出男 『13』 ~
「 ~ 神を映像に収めることに成功した。」
唐突に語られる最初の一文がこの話のインパクトを物語っている。
類まれな色彩感覚を有する
天才気質の日本人少年を主人公に
アフリカのジャングルを舞台にした前半。
その主人公が大人になってからの様子と
アメリカを舞台にした後半の2部構成。
躍動的とも形容できそうな色彩表現の描写が
生き生きとしたリズムを生み出し、
「色彩」が持つ力に関心を奪われる!
近代世界と非近代世界の間で解釈が
徐々に揺れる(ずれてくる)宗教観を織り交ぜながら、
神秘的な雰囲気を現実的に味わわせてくれる!
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と、私は2006年に某SNSのレビュー日記に書きましたとさ。
小説の内容は忘れてしまったんですが
高校から大学の頃、
古川作品をいくつか読んでいた記憶は鮮明にあります。
踊るような筆致や
スピード感あふれる展開で
音楽を聴くように読み進めることができる。
おぼろげにもそんなイメージがあります、古川作品。